塾長:嘉勢 路子
長崎の伝統工芸である「長崎刺繍」を実習して、日本刺繍の基礎を体験しながら長崎の歴史を学び、 現状とその価値を再認識し多くの方々に知らせることを目的として1年間活動をしてきました。
博物館や伝統工芸館の見学や「長崎刺繍」に関する文献とビデオでの学習を通して、 長崎の歴史的背景の影響を改めて再発見するとともに、おくんちとの深いかかわりを確認できました。
塾活動の中で、市指定有形文化財「十二支刺繍」を見学できたのは大きな収穫でした。 七年に一度だけおくんちの庭見せの時の数時間しか市民の目に触れることのない傘鉾垂れの刺繍で、傷みもかなり進んでいます。 今から約230年前に制作されたもので、現存する「長崎刺繍」(確認されている中)で一番古いものとされています。 それを間近に見て、刺繍のすばらしさ、江戸期の職人技のすばらしさを実感できたことは、技術を習得する上でも大きな励みとなりました。
「長崎刺繍」とはどういうものかを「知る」ことからスタートし、 「長崎刺繍」の特徴を学び技術の習得をやってきましたが、技術の習得としてはまだまだほんの入口です。 しかし、塾生の皆さんの中には確実に「長崎刺繍」に対する理解が深まってきました。嬉しいかぎりです。